間違いを繰り返されると、聴いてる母もイライラしてきます
生徒さんのお母様から、ご相談を頂きました。
なにか注意すると、すぐ怒る。
「そのリズム違うでしょ」とか「いつも同じところを間違えているわよ」と指摘すると不機嫌になる。
さらにヴァイオリンの場合だと「音程が狂っているわよ」とか「弓が逆よ」、ピアノの場合は「指使いが違う」とか「オクターブ高さが違うわよ」と言いたくなることはよくあります。
同じ間違いを繰り返されると、音楽の素養のあるご家族ほど、イライラするかも知れません。
そんなときどうしたら良いでしょう。
こどもをよく見てください
お母様は先ず、そのミスに対して本人が問題意識を持っているかどうか、ミスを判別できているかどうかを客観的に見て下さい。
「もう大きいんだからそのくらいの事、わかっているはず」「まちがって何回も練習したら、かえって良くないんじゃないかしら」と言いたくなる気持ちを、一旦脇に置いて観察してみて下さい。
もし「そんな事は言われなくても判っている。さっきからうまくいかず苦労しているところなのに、お母さんは文句ばっかり!」
と憤慨しているのなら、それは子供にも一理あるわけです。
こどもが「やってみようかな」と思えるような具体的な提案、または「そこ、難しいよね。今度のレッスンで先生に相談してみたら?」という提案も有効です。
またもし「せっかく気持ちよく弾いていたのに、横から中断させられた!」と感じたのかも知れません。そんなときはまず、暖かく見守りましょう。
たとえば「楽しそうにのって弾いているから、お母さんまで楽しくなってきちゃった」と言われ時のこどもの誇らしげな顔‼
大好きなお母さんを楽しませることができたなんて、「すごいぞ自分‼」です。
そんな体験の共有があってこそ、アドバイスを聞く余裕がうまれます。
ミスの判別能力は徐々に育ちます
最初に育てたいのは、音楽を楽しむちからです。
もし、お母様のアドバイスに対してお子さんが「せっかくいい感じで弾いていたのに、横から邪魔して台無し!」と感じているのであれば、それももっともなところです。
それだけ音楽や演奏に没入できるなんて、素晴らしいことではありませんか。
昨今、過集中の問題が指摘されていますが、どの分野であれ才能なんてもとより過集中がなければ成立しません。ましてピアノやヴァイオリンの演奏に過集中できるなんて‼
小さなお子さんは自分の演奏を客観的に評価できなくて当然ですし、演奏を楽しむことの方がよほど大切です。自己認識のちからが育ってくると、徐々に集中のフォーカスをコントロールできるようになります。音楽の持つ「バランスを整える働き」を踏まえれば、過集中タイプは大きく成長する可能性があります。
一方で、音感やリズム感、微細運動や読譜のちからは意識的に育てていきたいので、ここでソルフェージュの学びが大切になってきます。
ソルフェージュについては、次回以降のブログで取り上げます。